ちょうどこれからご契約をさせて頂く物件で同じ様なご質問を頂きましたので、
以前あった内容を掲載させて頂きます。
Q.土地を購入したのですが、購入後、面積を測ったところ、登記簿や契約書に記載された面積よりも少ないことが判明しました。このような場合には、面積が足りない分の代金を返還してもらうことが可能でしょうか。
A.土地の売買にあっては、売主は登記上の面積が実際にもあることを保証していないかぎり、面積不足の責任を負うことはないとされます。
【土地売買の実情は】
土地の面積については、登記簿上の面積と実際の土地の面積が合致しないというケースがしばしばみられます。
したがって、不動産取引においては、契約書に表示された登記面積と実測面積との間に差があることはめずらしいことではありませんが、次に述べる「数量指示売買」でないかぎり、代金の減額などを売主に請求することはできません。
【数量指示売買】
「数量指示売買」とは、「当事者において目的物の実際に有する数量を確保するため、その一定の面積、容積、重量、員数または尺度があることを売主が契約において表示し、かつ、この数量を基礎として大金額が定められた売買」のことであり、その場合に定められた数量に不足がある場合には売主に責任が生じます。
ここでの売主の責任は、次のとおりです。
➀代金の減額
②売買の目的が達せられない時には契約の解除
③買主に損害が生じた場合は損害賠償
ただ、契約書に土地の登記簿上の面積や代金額が記載されただけの契約では数量指示売買ということはできず、数量指示売買というためには、契約書において、面積の表示と、単位面積(1㎡あるいは1坪など)あたりの代金額が明記され、これを基準にして売買代金が算出されている必要があります。
【契約の実際では】
ところで、不動産売買の実際では、契約書において、登記簿上の面積と実測した面積に差が生じた場合でも代金の増減はしないなどの約定が記載されているのが普通です。これは、面積に食い違いが生じることが多いことから、事前に紛争の生ずることを防止する趣旨であると思われます。
したがって、実際の面積によって契約を締結必要がある場合にいは、契約する前に土地の面積を実測し、その面積に従って代金を定めるなどしなければなりません。
また、実測した結果登記面積との間に差があることが判明した場合には、その面積に見合う額を精算するという約定をしておけば、後日面積相違が判明した場合に円満に解決することができると思われます。
【消費者契約法との関係】
このような不利益事実の故意による不告知にかかる不動産売買についても、平成13年4月1日から施行された消費者契約法の適用をうけますので、消費者契約法の契約の取消しの要件に該当する場合には、取り消すことができます。
《参考となる法令など》
民法565条