最近不動産の取引をしていると耳にする
【筆界特定制度】についてご説明させて頂きます。
Q.筆界特定制度とはどのようなものですか?
A.筆界特定制度とは、平成17年4月に不動産登記法 が改正されて新たに導入された制度で、この制度は、筆界に争いがある場合に、土地の所有権名義人等がその土地の所在地を管轄する法務局または地方法務局に申請することにより、筆界の現地における位置を特定してもらう制度です。
※筆界とは簡単にいうと登記された土地と隣接する他の土地の境をいい、境界確定訴訟にいう公法上の境界と同じものです。
手順については、
【筆界特定の申請】→【筆界の調査】→【意見の聴衆等】→【筆界特定】となります。
【筆界特定の申請】
筆界特定の申請は、土地の所有権登記名義人またはその相続人等の一般承継人、未登記土地においては所有者(これらの者を所有権登記名義人等といいます。)が、対象となる土地を特定して、その筆界の特定を必要とする理由等を明らかにして、対象となる土地の所在地を管轄する法務局または地方法務局に行います。
【筆界特定申請がなされた場合】
筆界特定申請がなされると登記官の中から法務局または地方法務局の長が指定する筆界特定登記官は、申請に不備等がない限り筆界特定申請があった旨を公告し、かつ申請人以外の対象土地の所有権登記名義人等のほか、関係土地(対象土地以外の土地で、筆界特定の対象となる筆界上の点を含む他の筆界で対象土地の一方または双方と接するものをいいます。)の所有権登記名義人等に個別に通知します。
【筆界の調査】
筆界特定申請がなされると、法務局または地方法務局の長は、筆界調査委員を指定します。指定された調査委員は筆界特定に必要な調査を行い、筆界特定登記官にその意見を提出します。
※筆界調査委員には弁護士や土地家屋調査士等の筆界調査に必要な専門的知識・経験を有するものが任命されます。
どんな事をやるかといいますと、筆界特定に必要な土地の測量または現地調査、事実の聴取、資料の提出要求を行います。
【意見の聴取等】
筆界特定登記官は、筆界の特定をするまでに必ず1回は意見調査等の期日を開き、申請人および関係人に対し、意見を述べ、資料を提出する機会を与えます。
【筆界調査委員の意見と筆界特定】
筆界調査委員は、意見聴取等の期日の後、筆界特定のために必要な事実の調査を終了したときは、遅滞なく、筆界特定登記官に筆界特定についての意見を提出しなければなりません。筆界特定登記官は、筆界調査委員の意見を踏まえて、その判断で筆界特定を行います。筆界特定に際しては、その結論と理由の要旨を記載した筆界特定書を作成し、申請人にその写しを交付するとともに、筆界特定した旨を公告し、関係人にも通知します。筆界特定の結果、必要があれば職権で地積更生登記や地図の訂正がなされることになります。筆界特定申請がなされてから筆界特定がなされるまでに要する標準的な期間は、法務局または地方法務局においてあらかじめ定めて公表するものとされてますが、千葉県ではおおよそ1年から1年半かかっているみたいです・・
※筆界特定制度は筆界を法的に確定するものではありません。筆界の法的確定は裁判所における境界確定訴訟のみによって可能です。しかし、境界確定訴訟には、相当の日時と労力を要するのも事実です。筆界特定制度は、専門家が関与することで適正にかつ迅速に境界紛争を解決するための有効な手段と期待されています。
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